公開質問状「IX. 報道の自由」の回答

Q19.(特定秘密保護法)

2014年に施行された特定秘密保護法第10条では、秘密を指定した行政機関が「我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがある」と判断すれば、国会から求められても秘密の提示を拒否することができると定めています。会計検査院は、これについて、憲法第90条で国の収入支出の決算を毎年すべて検査院が検査して国会に提出すると定めていることに抵触する恐れがあるとして修正を要求しましたが、認められませんでした。

特定秘密保護法と会計検査の仕組みの関係について、どのようにお考えでしょうか。a〜dからご自身のお考えにもっとも近いものをご選択ください。
(典拠:『毎日新聞』2015年12月8日付

  1. 安全保障上の配慮は他のことがらに優先すべきであるから、特定秘密の対象とされた事項が会計検査の対象とならないのもやむを得ない。
  2. 特定秘密の対象とされた事項が会計検査の対象とならないのはやむを得ないものの、憲法違反の恐れがあるので、憲法を改正すべきである。
  3. 検査を受ける立場にある政府が、政府から独立した機関である会計検査院に対し提出すべき文書を選べるならば、憲法違反の「抜け穴」を認めることになる。特定秘密保護法第10条を修正し、すべての予算項目を会計検査の対象とすべきである。
  4. 特定秘密保護法は、公務員らが特定秘密を漏らせば.高懲役10年を科す罰則があるばかりでなく、秘密に迫った側の記者についても.高懲役5年の罰則を科すことを規定しているので、報道の自由を妨げ、知る権利を大幅に制限するものである。違憲の恐れが強く、廃止が適当である。
自民党 ニノ湯さとし 幸福実現党 大八木みつこ
回答なし
党の公約を見てくれと返答
回答待ち
民進党 福山哲郎 日本共産党 大河原としたか
c、d
dは「違憲の恐れが強く、廃止が適当である」ではなく、「現状の制度では恣意的に秘密が特定され、国民に必要な情報が知らされないリスクが高い。特定秘密の管理、開示についてのルールを国民の知る権利の保障に照らして再構築するべきであり、法律は修正する必要がある。」
d

Q20.(放送法)

国連人権理事会の特別報告者デビッド・ケイ氏(米カリフォルニア大学教授)は、本年4月、「日本の報道の自由が深刻に脅かされている」という見解を表明し、放送事業者に対して「政治的に公平であること」を求めた放送法第4条は政府による恣意的運用の恐れが強いので削除すべきであると提言しました。また、NGO「国境なき記者団」が発表する「世界報道の自由度ランキング」で、日本の順位は2010年には11位でしたが、2016年には72位にまで下がり、台湾(51位)、香港(69位)、韓国(70位)よりも下となりました。

放送法にかかわる国連人権理事会特別報告者の提言について、どのようにお考えでしょうか。次の選択肢から、a〜cからご自身のお考えにもっとも近いものをご選択ください。(典拠:『朝日新聞』2016年4月22日付

  1. テレビ報道が庶民に対して大きな影響力を持つ以上、政府がこれを公正に管理し、政治的に公平とは思えない報道がくり返された場合には、総務大臣が放送法および電波法の規定にしたがって「停波」を命じるのは当然である。
  2. 放送法第4条については、放送事業者が遵守すべき倫理規定に過ぎないので削除する必要はないが、総務大臣がこれを電波法と結びつけて「停波」の可能性について言及するのは不適切であり、放送事業者を萎縮させる効果を持つので望ましくない。総務大臣は発言を撤回すべきである。
  3. ジャーナリズムの核心が政府にとって報じられたくないことを報じることにある以上、政府が政治的公平さを判断するのは不当である。放送法第4条は削除し、個々の番組の適切さにかかわる判断は、政府から独立した放送倫理・番組向上機構(BPO)に委ねるべきである。
自民党 ニノ湯さとし 幸福実現党 大八木みつこ
回答なし
党の公約を見てくれと返答
回答待ち
民進党 福山哲郎 日本共産党 大河原としたか
b c

報道の自由(自由記述欄)

【参考】自民党・参院選公約の要旨

自民党参院選公約要旨

なし

民進党 福山哲郎

政府によるNHK会長人事への影響力行使や、総務大臣の停波発言等々、報道の自由・表現の自由に対する政府からの介入が異例に行われており、このような状況下では、日本の民主主義がこわれる恐れがある。民主主義における必要不可欠な報道の自由・表現の自由は断固として守らなければならない。国境なき記者団の報道の自由ランキングをはじめとして、国際的な信頼が低下していることは遺憾である。

日本共産党 大河原としたか

特定秘密保護法は、知る権利や取材・報道の自由など、市民の基本的人権を侵害する法律であり、廃止を求めます。総務大臣が、テレビ局が政治的公平性を欠く放送を繰り返した場合、電波停止(停波)を命じることができる旨の発言をしたことは極めて大きな問題です。まさに報道の自由への介入であり、言論や報道への萎縮効果をもたらすものです。総務大臣の発言の撤回を求めるとともに、第4条に違反したことをもって放送法第174条(放送の業務停止命令)や電波法第76条(無線局の運用停止命令等)が適用される可能性があるのならば、言論の自由を保障する憲法第21条に違反するものであり、改めるべきです。政府自身、一定の政治的立場を持った存在であり、その政府が、報道の政治的公平性の有無を判断することは許されません。政治的公平性の判断は、政府から独立した第三者によるべきです。

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